Articles

国家試験免除型と、国家試験受験型の違いについて

国土交通大臣が発行する国家資格である小型船舶操縦士免許。その取得方法には、大きく分けて2つの制度が存在します。それぞれわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

大成

大成

ジャックスボートラインセンススクールの小型船舶操縦士免許のインストラクター。本職はWebエンジニアで、このサイトの運営者。船舶免許の制度をわかりやすく解説する記事を執筆しています。

違いを簡単にまとめると...

船舶免許の、国家試験受験コースと、国家試験免除コースの違いをまとめた表

免除型は、定められた時間数の講習を受講する必要があるが、国家試験が免除される。受験型の場合は、いきなり一発で試験を受けることもできる。

多少値段が高く(+5~6万円)、拘束時間が多くても確実に取れるのが免除型安く短期間で取りたいなら受験型。

2021年度の関東の総免許申請者数で比べると、免除型が1.5万人・受験型が1.3万人と、人気はほぼ半々。

一級小型船舶免許の場合

一級小型船舶免許の場合の、国家試験受験コースと、国家試験免除コースの違い

【免除型】

【取得の条件】
学科(24時間)実技(4時間)を、国交省指定の教習所で、最低6日かけて受講し、最後に簡単な修了審査に合格する。

【費用】
相場は12万円〜16万円ほど

【メモ】
最後に修了審査と呼ばれる簡単なテストに合格する必要はありますが、国家試験は免除されるため、よほどのことがない限りは、ほぼ確実に免許を取得する事ができると言われています。

【受験型】

【取得の条件】
「学科試験(初級)」・「学科試験(上級)」・「実技試験」の3つの試験(全て同日開催)に合格する。

【費用】
相場は6万5千円〜11万円ほど

【メモ】
受験型では、極端な話、全てを独学で学び、いきなり試験を受ければ、費用は国家試験受験料の28,950円のみ(身体検査料は3,450円、学科試験料は6,600円、実技試験料が18,900円)で取得できます。一発試験で合格すれば、圧倒的に安く取得できますが、気になるのはその合格率です。「学科試験」は独学でも、当スクールの場合だと合格率90%以上なのですが、「実技試験」は、船の操縦や、ロープワーク(船と桟橋を繋ぎ止める作業)があるため、一発受験での合格は、相当難しいです。そのため、現実的に一番安く短期間で船舶免許を取得する方法は、「学科は独学で試験を受験」・「実技は教習所で受講した後に、実技試験を受験」のパターンになると思います。当スクールではセルフプランとして、試験と実技講習を合わせて総額6万5千円で提供しています。

二級小型船舶免許の場合

二級小型船舶免許の場合の、国家試験受験コースと、国家試験免除コースの違い

【免除型】の二級小型船舶

【取得の条件】
学科(12時間)実技(4時間)を、国交省指定の教習所で受講するがあります。

【費用】
相場は10万円〜14万円ほど

【メモ】
最後に修了審査と呼ばれる簡単なテストに合格する必要はありますが、国家試験は免除されるため、よほどのことがない限りは、ほぼ確実に免許を取得する事ができると言われています。

【受験型】の二級小型船舶

【取得の条件】
「学科試験(初級)」・「実技試験」の2つの試験に合格すること。

【費用】
相場は6万5千円〜10万円ほど

【メモ】
受験型では、極端な話、全てを独学で学び、いきなり試験を受ければ、費用は国家試験受験料の25,850円のみ(身体検査料は3,450円、学科試験料は3,550円、実技試験料が18,900円)で取得できます。一発試験にすれば、圧倒的に安く取得できますが、気になるのはその合格率です。「学科試験」は独学でも、当スクールの場合だと合格率90%以上なのですが、「実技試験」は、船の操縦や、ロープワーク(船と桟橋を繋ぎ止める作業)があるため、一発受験での合格は、相当難しいです。そのため、現実的に一番安く短期間で船舶免許を取得する方法は、「学科は独学で試験を受験」・「実技は教習所で受講した後に、実技試験を受験」のパターンが圧倒的に多いです。当スクールではセルフプランとして、試験と実技講習を合わせて総額6万5千円で提供しています。

特殊小型船舶免許の場合

特殊小型船舶免許の場合の、国家試験受験コースと、国家試験免除コースの違い

【免除型】の特殊小型船舶 = 水上バイク

【取得の条件】
学科(6時間)実技(1.5時間)を、国交省指定の教習所で受講し、最後に簡単な修了審査に合格する。

【費用】
相場は6万円ほど

【メモ】
最後に修了審査と呼ばれる簡単なテストに合格する必要はありますが、国家試験は免除されるため、よほどのことがない限りは、ほぼ確実に免許を取得する事ができると言われています。

【受験型】の特殊小型船舶 = 水上バイク

【取得の条件】
「学科試験」・「実技試験」の2つの試験に合格すること。

【費用】
相場は5~6万円ほど

【メモ】受験型では、極端な話、全てを独学で学び、いきなり試験を受ければ、費用は国家試験受験料の22,750円のみ(身体検査料は3,450円、学科試験料は2,900円、実技試験料が16,400円)で取得できます。一発試験にすれば、圧倒的に安く取得できますが、気になるのはその合格率です。「学科試験」は独学でも、当スクールの場合だと合格率90%以上なのですが、「実技試験」は、船の操縦や、ロープワーク(船と桟橋を繋ぎ止める作業)があるため、一発受験での合格は、相当難しいです。そのため、現実的に一番安く短期間で船舶免許を取得する方法は、「学科は独学で試験を受験」・「実技は教習所で受講した後に、実技試験を受験」のパターンが圧倒的に多いです。当スクールでは、試験と実技講習を合わせて総額5万円で提供しています。

結局、どっちがおすすめ?

結局、どっちが人気なのでしょうか?2021年に関東で免許申請を行った人数で比べてみると、受験コースが約1.3万人、免除コースが約1.5万人と、ほぼ半々となっています。

受験型と免除型で、それぞれどのような属性の方に人気なのか、わかるようなデータが公開されていないのですが、私の意見としては、ざっくり50代までであれば、取得までの時間を短く、かつ、費用も抑えられる受験コースがおすすめ。60歳以上のシニアの方であれば、体力的な配慮から、受験の必要がない(修了審査だけで済む)免除コースをおすすめします。

もう一つの判断基準としては、免除型の教習所は、登録教習所といって、国交省管轄の海洋レジャー協会という組織に認可された教習所しか、そのサービスを提供することができません。一方で、受験型では、そのような仕組みが特にない(優良教習所認定という仕組みはあります。)ため、ある程度、お客様の方に、受講するスクールが、安全に配慮した、良いスクールなのか、見極める力が必要になります。